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今日はボクが子供達のお迎えに行きます。いつもは奥さんが行ってくれるんだけど、今日は夕方からお客さんの予約が入ってたからボクがお迎えに行って、そのままご飯を作るコース。
こんな日は働くママさんの大変さを実感します。奥さんには感謝しかありません。いつもありがとう。
今、ロディーナにはボクの奥さんを含めて2人のママさん美容師が在籍しています。以前、「サロンオーナー」って業界紙の取材を受けました。テーマは「ママさん美容師・休眠美容師の雇用、その前に考えるべきこと」みたいな感じ。その時のことを思い出してボクの自論を書いてみますね。
今の美容業界って求人がとても難しいんですよ。新卒も中途も。そしてこれからはもっともっと難しくなってくると言われています。
そんな中で業界が目を付けたのはママさん美容師や、美容師を辞めている休眠美容師を雇用する事。ママさん美容師はパートとして、休眠美容師はパート契約から正規雇用みたいな流れなのかな、その辺は良くわかりませんが、どうにかして人材を確保しようと会社の待遇面を改善して求人をかける。
ただ、会社の求人票だけを見たら働く時間やお給料面など、働きたいママさん美容師にとっては理想的ともいえる内容だったに違いないと思うけど、多くの美容室は、実際にママさん美容師を雇用してもお店側と上手くいかなくて長く続かないらしいんです。どこのお店も。
何でなんでしょうね。そもそも、子供がいるママさん美容師がお店を辞める本当の理由って待遇面じゃないとボクは思ってるんです。
ママさん美容師がお店とうまくいかない理由はボクはひとつだけだと思っています。
それは何かって言うと、ママさん美容師にとって一番大切なのは、過去に美容師としてバリバリやっていた時のようなやりがい、例えば自分の売上やコンテストや撮影でもなんでもなくて、子供や家族だって事。ここの本質を理解しないで、表面的に会社の待遇面や労働環境を変えるような、言ってみれば会社の都合ばかりを主張してもダメなんじゃないかと思っています。
ママさん美容師は子供を産んで、どんな理由で過去に働いていた美容室を辞めたんでしょうか?話を聞くとほとんどの人が働きづらくなったからと答えます。
それは周りのスタッフ達との温度差なのかもしれません。
子供がいるから朝もみんなと一緒の時間い出勤できない、夜も早く上がる、お店の飲み会にも参加できない、ミーティングにも参加できない、スタッフと過ごす時間が今までにくらべて圧倒的に少なくなるからしょうがないといえばしょうがない。子供が急に熱を出して保育園から呼び出されるときだってよくあります。「いいよいいよ」とは言ってくれていても感じる「また早く帰るのかよ」的なスタッフからの視線。だんだん心の中で大きくなる「サロンに貢献していない」という思いや、「疎外感」にやりきれなくなってきて、その上に子育ても大変なのにサロンからは今までと同じように売り上げ目標を課せられて精神的にどんどん疲弊していく。
辞める理由ってなんとなくだけどこんな感じじゃないですかね。
ママさん美容師だったらこういう「疎外感」って誰しもが持ってる感情なんじゃないいかなって思うんですね。
でもこれって周りの気遣いでどうにでもなると思いませんか?特に会社のリーダー、現場のリーダーがママさん美容師に発する空気感って言えばいいのかな?うまく言えないけど社内での影響力が強い人の対応で救われるママさん美容師はたくさんいると思うんです。
ママさん美容師とお店がうまくいかない理由はママさん美容師だけに限らず、今いるスタッフやこれから入ってくるスタッフでも共通して、そういう本質的な部分が大きいんじゃないでしょうか。
逆に言えば、そこを理解しないで人数合わせだけでママさん美容師を雇用しようとしているのなら雇用しない方がいい
だってまたつらい思いをさせちゃうだけだもんね。
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