最新記事 by 吉川 光洋 (全て見る)
- ロディーナがヘアスタイル以外のキャッシュポイントを複数つくる理由 - 2021年8月7日
- プロセス・エコノミーという考え方を美容室の教育と掛け合わせてみる - 2021年7月18日
- 新卒採用と教育の強化、その先に見る未来 - 2021年6月18日
今日から3連休です。午後からジャズのコンサートに行ってきます。日曜日の休日っぽくていいね。
おやすみの今日はロディーナを創業した当時のことを思い出してブログを書きたいと思います。
ロディーナを創業する何年も前、勤めていた時の尊敬する社長からこう言われた事があります。
「美容室を開業するまでには最低400万貯めとけ」って。
最初はこの言葉の意味がよくわかりませんでした。でも、今はこの言葉の重さがよくわかります
実際にお店をやってみたからこそ、創業するときに400万用意とけばよかったって本気で思ったから。
って言うのも、今だから言えるけど、お金がなくなりすぎてロディーナは1度つぶれかけた事があるんです。
ボクがロディーナをオープンした時もちゃんと約400万貯めたことは貯めたんですよ。ただ、そのお金はお店を出す為に貯めたんじゃなくて結婚式を挙げる為に2人で貯めたお金だったんです。しかも約3分の2が奥さんがコツコツが貯めたお金。
今考えたら相当無謀な事をしたなって思います。
だって、そのお金で借り入れしたとしても、元のお金は結婚式でなくなっちゃうんですから。ボクがそのお金を元に銀行から借り入れできたのが約900万。400万は結婚式でなくなって、ご祝儀でその半分くらいいただけました。合計約1100万。
東京でやってる秋田の友達がやってくれた内装が約900万。機材はほぼリース。仕入れた小物、材料関係で約100万。残った運転資金がたったの100万円しかなかったんです。
税理士さんはヤバイって言ってたけど、ボクにはそのヤバさが全然わからなかった。
見かねた税理士さんが、まだ全部支払っていなかった内装費を分割にしてもらえないか頼んでみた方がいいよって言うので、残っていた支払いの100万を5回の分割にしてもらいました。
これは内装をお願いしたのが友達だったからよかったものの、そうでなかったら分割に出来なかったからホントにヤバかったですね。多分3ヶ月くらいでつぶれてました(笑)
その位お店が始まってからお金がなくなっていくのが早かったんです。想像を絶する速さでなくなっていきました。
税理士さんがヤバイって言ってたのはこの事だったんですね
でも、よく考えれば当然の事。だって最初はお客さんいないですから売り上げだってめちゃくちゃ低い。でも、お金はちゃんと出て行くんです。お客さんがいないから販促費もかけなきゃいけない。いくら売り上げが少ないって言ってもスタッフにはお給料を払わなければいけない。
みるみるおうちに金がなくなっていきました。
少しずつお客さんも増えて来て、売り上げも上がってきたのにどんどんお金がなくなっていくんです。
分割してもらった内装費を払い終わった10月末の銀行の残高が10万3240円
お店を出さなきゃよかったってマジで思いました。売上を預けに銀行に行くのもイヤだったし、通帳を見るのもイヤでしたに行くのがイヤでした。こうなったのは完全にボクのせいだってわかっているのに、心のどっかではスタッフのせいにしてるボクがいました。なんでもっとこうしねぇんだよ」「もっとこうしろよ」。自分の事を棚に上げてスタッフの事をそんな風にしか見えなくなってきてた。
きっと、奥さんにもイヤな事を言ってたと思う。今年の12月で40歳になるボクが、40年間生きてきて中で23年11月10日がボクの人生史上1番イヤなヤツだった日です。
正直、終わったなって思った。
終わったなって思ったけど分割してもらった内装費の支払いが終わった10月以降、少しずつですがお金が増えていったんです。気持ちにも少し余裕が出てきました。
もし、あの時、分割にしてもらってって税理士さんが言ってくれなかったら。
もし、あの時、友達が支払いを伸ばしてくれなかったら。
多分、ロディーナはつぶれてました。
その前に、ボクが社長の言う通り400万を貯めて運転資金をもっと残せていたら、税理士さんにも心配されなくてすんだし、内装をやってくれた友達にも迷惑をかけることもなかった。
ホント色んな人に助けられました。
もうこの日には絶対に戻りたくないと決めて必死でやってきた結果、今があると思っています。つぶれそうになった経験をしたことがない人にはわからないかもしれないけど、現金ってマジで大事です。現金がないとお客さんやスタッフに喜んでもらおうなんてまともな考え方はできません。どんどんイヤなヤツになります。お店がつぶれかけたボクが言うんだから間違いない。
経営の事なんかなんにもわからないくせに、調子に乗って上司に食って掛かっていた独立前の自分が急に恥ずかしくなって、改めて今まで勉強してきたことをとことん見つめなおしてお客さんが喜んでくれる事、スタッフが喜んでくれる事をいちからやり直しました。
つぶれそうになった経験を味わって、全てを見直して原点に帰り、それでも一緒に居てくれたスタッフが居たからこそ、今のロディーナがあって、結果的に、業績が少しずつあがってお店をまかせられるまでスタッフが育ち、くれたんだとボクは思っています。
絶対に忘れちゃいけないロディーナ創業時の苦労です。
お金がなくなる怖さはマジでハンパないですよ。経験してない人はぜひ1度経験してみてください。
コメントを残す